個人再生と任意整理の違いについて解説いたします。両者は個人再生が裁判所の手続き。任意整理が裁判所を通さない各債権者との交渉という点で大きく異なります。この違いから下記のようなメリットデメリットがあります。

ポイント1 元金がカットされるか(個人再生と任意整理の一番の違いです)

個人再生任意整理
元金がカットされる元金はカットされない

個人再生と任意整理のもっとも大きい違いとなります。そして裁判所で認可されれば、原則大幅に元金が減額されます。例えば、500万円の負債で財産がない場合、原則100万円まで負債が減額されます。

これに対して任意整理は裁判所に申請をしません。弁護士や司法書士が各債権者と交渉をして支払方法の見直し和解をします。この時に通常ほとんどの業者が将来の金利についてはカットに応じてくれます。しかし現在の元金についてはカットに応じてくれません。
そのため、500万円の負債は500万円のままです。

上記のように個人再生と任意整理では手続き終了後の元金の額が大きく異なります。そのため、毎月の返済額も任意整理の方が大きくなります。

ポイント2 家族に秘密にできるか

個人再生任意整理
同居の家族に秘密で進めるのは難しい家族に秘密で進めることも一応可能

個人再生は裁判所に申請して元金も一部カットしてもらいます。その際に様々な書類を裁判所に提出する必要があります。例えば、同居されている配偶者の給料明細や家計簿などです。
これらの作成等にあたって配偶者の方に協力してもらう必要があります。そのため、個人再生はなかなか同居の家族の方に秘密で進めていくのが難しいです。

これに対して任意整理は裁判所を通さないので、上記のような書類は必要ありません。そのため、通常同居の家族の方に秘密で進めていけます。

ポイント3 一部の債権者の除外

個人再生任意整理
除外できない除外できる

個人再生は裁判所での集団的な債権処理手続きとなります。そのため、一部の債権者を手続きから除外する事ができません。

これに対して任意整理の場合は債権者との個別交渉にすぎません。そのため一部の債権者を除外できます。

これが個人再生と任意整理の違いとして問題になるのは下記のようなケースです。

車をローンで購入した場合、通常業者が完済まで当該車を担保にとっています。
そのため、個人再生の場合、車を業者に返却する必要があります。
しかし、任意整理では車を返したくない場合、当該車のローン業者を除外すればよいのです。

また借り入れの際に保証人をたててる場合も問題となります。個人再生ではその借り入れも除外できません。その結果保証人に請求がいきます。どうしても保証人に迷惑をかけたくない場合は任意整理でいきます。そうすれば保証人のついてる業者を交渉の対象から外すことができます。

ポイント4 官報に名前が載るか

任意整理は、弁護士・司法書士と債権者の間で私的な話し合いを行う手続きですので、官報に名前が載るということはありません。

一方、個人再生の場合は、お名前等の情報が官報に掲載されることになります。しかし、官報を定期的に読んでいるという人はほとんどいません。そのことで知人等に個人再生の手続きをした事が知られるということは心配されなくても大丈夫でしょう。

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